「立ち止まる時間」
進んでいくだけがすべてじゃない。
効率よく何かをしようとすると、なんだか質感や特徴が失われるような気がする。
それが誰がしたものだか分からなくなるし、誰でもいいものになる。
非効率なものほど、複雑でおもしろい。
生産性のない時間は、なんだかほっとする。
立ち止まって見入ってしまうものは、雑草だったりする。
私は、誰かにふっと足を止めて見て感じてもらえるような、空間を作りたい。
私は何のために創るんだろう?
作ったものを売って生きていくためだけならば、創作に苦しむだろう。
誰かに喜んでもらうためだけならば、自分を見失ってしまうだろう。
結局は自分のため、なのかもしれない。
自分の内から溢れる想像が、誰かの喜びになったら、喜びのありかを見つけられるからかもしれない。
私は立ち止まって考える。
木漏れ日のしたで
満天の星空のしたで
結局はみんな違う答えを持っていて、どんな答えを選んでもたぶんいい。
大事なのは、自分でそれを見つけることなんだと思う。
立ち止まる時間のなかに、小さな心の声が聞こえてくる。

