2017年12月29日

意味を持たないもの

私はずっと昔から、実用性のあるものよりも、あまり意味のないものが好きです。
大学を卒業後、テキスタイルデザイン(布)の会社に就職したくて、ポートフォリオ(作品集)を持って会社の面接に行っていました。その作品集には学生の時に作った布のアート作品と布の模様をデザインした作品が入っていました。そこで面接の人に言われました。「君はデザインよりも、布のアートをやった方がいいよ。そっちの作品の方が面白いと思う」。その時私は「でもアートじゃ食べて行けないんです。私は仕事にしたいんです。」と答えたのを覚えています。私はその会社に就職がしたくて面接に行っているのに、それを聞いて本当にがっかりしました。
でも今になって、その面接の方は私の作品をちゃんと見てくださったのだなぁと思います。明らかに、アート作品の方がワクワクしながら作ったものだから、それが伝わったんだろうなと思います。
その時のアート作品はオーガンジーの布で包んだ色とりどりのたくさんのキャンディーとか、紅茶染めの布で作った箱とか、無数のボタンを布に縫い付けてタペストリーにしたものでした。
そう、あまり意味のないものです。実用性のないものです。
どうしてこんなに意味のないものにワクワクするのか?ずっと子どもの頃から。
カラフルなおはじきの玉や、飼っていたインコから抜け落ちた美しい羽や、小さい貝殻などを宝物にしていた、子どもの頃の感覚と今でもあまり変わってないなぁなんて思います。

それにしても、実用性のあるものは確かに必要だけど、大量に作られて捨てられていたりもして、使わないなら実用性ってなんだろう?って思います。そして便利ってなんだろう?とも思います。今やスマホでぽちっとすれば、次の日には商品が届くような時代だし、お店だってずっと開いている。でも便利になればなるほど人は忙しくなる、働き続けなければいけなくなる。誰の為の便利さなんだろう?

意味を持たないものの静寂さが好きです。その静けさに自分の想いを見つけることができるから。

ところで「アートじゃ食べていけないんです。」と言い切った私はアートで食べていこうとしたこともない人でした。本当にアートでは食べていけないのか?たとえ食べていけないからってやめる必要があるのか?
最近、自分がワクワクしながら作った作品を見ながら思うのです。ああ、ちゃんと自分は生きていたなぁって。だからやめなくてよかったなぁって思います。

今年もあとわずか。本当にありがとうございました!
来年も創っていきます。

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posted by ゆきこ at 23:09| Comment(0) | 日記